FXで安定的な「勝ち」を手に入れるために勉強すべき4つのポイント

FXって勉強したら勝てるの?もしそうなら何をどんなふうに勉強したらいいの?

勉強は必要かも知れないけど、実際に何をどうすれば最も効率的に成果が出るのか、知りたくはありませんか?実はFXをやっているほとんどの人は、少なからず勉強しています。にもかかわらず利益を上げている人は全体の37%パーセントと言われています。これはどういう事かと言うと、勝つために本当に必要な事を勉強できていないからです。

本当に必要な事とは、相場が今どういう状態なのかを分析して把握する『環境認識』の事です。しかしながらFXの商材・教材は手法に特化したものばかりで、環境認識について解説したものはほとんどありません。

ここでは環境認識の意味や重要性、さらには手順の紹介をしています。環境認識を勉強して身に付ければ、トレード技術を飛躍的に向上させる事ができます。

参照:日本経済新聞

目次

1.FXの勉強

1-1.FXをやるのに勉強は必要か?

FXで満足の行く結果を出したいなら勉強は必須です。勉強をせずにFXをやってもギャンブルと同じで、一時的には稼げたとしても安定的に稼ぐ事はまず難しいでしょう。

しかし、勉強したからと言って必ず結果が出るわけではありません。それは何を勉強したかで決まるからです。

1ー2.何を勉強したらいいの?

ズバリ相場を分析するチカラです。勝つための手法ではありません。稼いでいる人の手法を勉強して真似ても同じような結果が出ないと言う話をよく耳にします。

手法とは一般にエントリーから決済までのルールを指します。個人によっても違いますし、あらゆるテクニカルや、その他の判断基準で構成されるので、その数は無限にあります。手法の優劣や相性にも寄りますが、手法を学んで身に付けても、ほとんどの人は結果がともないません。

それは手法が悪いのではなく、手法を使いこなす下地がないからと言えます。手法を使いこなす下地とは、相場が今どういう状態なのかを分析して把握する力の事です。

この力を『環境認識力』と言います。

勝つための勉強と言うと、どうしても手法にフォーカスされがちですが、実はこの環境認識力が重要です。FXにおいて手法は枝葉で環境認識力は幹に相当します。環境認識力さえ身についてしまえば、どんな手法でどこでエントリーしても結果が出る可能性が高まるということです。

2.環境認識とは?

環境認識とは次の4つのパーツを組み合わせて相場の状態を判断する事を言います。

  • ダウ理論
  • チャートパターン
  • ライン(水平線)
  • マルチタイムフレーム

この4つを勉強することによって、環境認識力を身に付け、向上させる事ができます。つまり相場の状態を分析するチカラが身に付き、FXで望む結果を出す事に近づきます。そして環境認識は、ローソク足を使ったチャートで行なっていきます。チャートとは相場の値動きをグラフにしたものです。ここではそれぞれのパーツごとの解説と、実際の勉強方法を紹介していきます。

3.なぜローソク足のチャートを使うのか?

ローソク足は、ある一定の時間軸の中の値動きを一本のローソクに似た形で表示したものです。キャンドルとも言います。最もポピュラーなチャートで、ほとんどのトレーダーが使っています。その理由として値動きの把握が簡単で、相場の分析にも適しているからです。

ローソク足の4本値説明画像

始値(はじめね)、終値(おわりね)、高値、安値を総称して四本値と呼びます。始値より終値が高ければ陽線(ようせん)、始値より終値が安ければ陰線(いんせん)になります。ちなみに始値と終値が同値の場合は十字線になります。このローソク足が連続して表示されているものがチャートです。

これは1時間足のチャートで、1本のローソク足が1時間分の値動きを表しています。1時間なので24本で1日分という事になりますね。このチャートに4つのパーツを織り込んだ環境認識を行なっていきます。次に4つのパーツについて解説をしていきます。

4.ダウ理論

4-1.ダウ理論とは

アメリカのチャールズ・ダウという人物が最初に定説したチャート分析です。

相場には「上がる」か「下がる」しかありません。そこで今現在の相場が、上げ相場なのか、下げ相場なのか、またどちらでもないのかを判断するのにダウ理論を用います。「買い」か「売り」かの目線を固定させて、勢いがある方へエントリーする事によって勝ちやすくなり、また負けにくくなるからです。

参照:StockCharts.com

4-2.なぜダウ理論なのか

FXでトレードをしていく上で絶対に押さえておきたいテクニカル(相場の分析方法)だからです。数あるテクニカルの中でも、基本中の基本と言われるほどメジャーなテクニカルです。世界中のトレーダーが知っていると言っても過言ではありません。

世界中のトレーダーが知っているという事は、相場を動かす側の人間(大口投資家など)も当然知っています。従ってチャートがダウ理論を意識した動きをしやすいという事になります。

そうした相場を動かす側の人間に思考を合わせる事によって、チャートから相場の環境を読み取る事ができるようになります。このテクニカルは一度身につけてしまえば、あとは一生ものですから今後もトレードを続けていくという方は、これを機会に自分のものにしてしまいましょう。

4-3.チャートを波形で見る

ダウ理論はチャートに波形をイメージする事で、より早く理解できるようになります。

まずはチャートに自分なりの波形を描きます。なぜ波形を描くのかと言うと、チャートを視覚化して分析しやすくするためであり、分析の第一歩になるからです。例えば図Aのようなチャートがあります。このチャートに波形を描くと図Bのようになります。

図A
波形の描き方1

図B
波形の描き方2

ポイントはパッと見で目立った高値と安値を結ぶ事です。人によっては、波が大きくなったり、小さくなったりすると思いますが、問題ありません。「こういう波を描けば正解」と言うような答えが無いからです。何よりも自分だけの固定された波を描けるようになる事が大事です。何度も波形を描く内に自分の中で定着していきます。

それでも波形は感覚的に描くので、初めは全く引けない、という方は図Bを参考にした上で、次の事を波形を描く時のルールにしてみてください。

「ローソク足一本のみの陽線陰線は波として見ない」
「よく分からない所は波として見ない」
「乱高下していて、もみ合っている所はまとめて一つの波として見る」
「迷ったら大きな波で見る」

毎日見られれば、1~2週間で慣れると思います。チャートを見た時に、ある程度波形をイメージできるようになれば、このステップはクリアです。

4-4.アップトレンドとダウントレンド

先にも述べましたが、相場には「上がる」か「下がる」かしかありません。ただ、上昇か下降か2つに1つでも、その確率は半々ではありません。「勢い」がある方へ行く可能性の方が高くなるからです。

今現在の相場が上昇と下降のどちらに勢いがあるのか、またどちらにも勢いが無いのかを判断していきます。その「勢い」を「トレンド」と呼びます。

トレンドにはアップトレンドとダウントレンドがあります。アップトレンドは波形を描いたチャートで高値と安値を切り上げている状態を言います。これと反対にダウントレンドは高値と安値を切り下げている状態を言います。

4-5.押し安値と戻り高値

アップトレンド継続中で最後につけた高値の起点になった安値を「押し安値」と言います。「最後につけた高値」なので、その後高値を更新したら「押し安値」は移動し、最新の高値をつけた起点が新たに「押し安値」となります。押し安値でなくなった安値は、ただの「安値」になります。下図の①から③までのように高値を更新するたびに押し安値は移動していきます。

このように押し安値は一つのチャートには、常に一つまでしか存在しないので注意してください。そしてダウ理論では、この押し安値を下回らない限りは「アップトレンド継続」と考えていきます。

またダウントレンド継続中では、最後につけた安値の起点になった高値を「戻り高値」と言います。安値を更新するたびに戻り高値は移動していきます。そしてここでも戻り高値を超えない限りは「ダウントレンド継続」と考えていきます。

下図の①から③までのように安値を更新するたびに戻り高値は移動していきます。

次に実際のチャート画面で解説します。(図A)

図A

赤マル1高値を超えたら青マル1安値が押し安値になります。次に赤マル2高値を超えたら青マル2安値が押し安値になります。次に赤マル3高値を超えたら・・・、と言った具合に高値を更新するたびに押し安値が移動します。

ここで重要なポイントは、高値安値の更新はローソク足の終値で判断する言う事です。ヒゲで抜けても更新はしていないと判断します。

黄色マルAで、ヒゲは直近高値を超えていますが、終値で超えていないため更新していません。したがってローソク足の終値で超えた起点の青マル4がこの時点の押し安値になります。ここでは押し安値を例に解説しましたが、戻り高値も同じように判断をしていきます。

動画でさらに詳しく解説していますので、ご覧ください。

4-6.トレンドの崩壊と発生

4-6-1.トレンド崩壊

アップトレンド中に押し安値を下回った時は、「アップトレンド崩壊」と判断します(図B)。そしてこの時押し安値を切った起点を「戻り高値」と言います。ただ、「アップトレンド崩壊=ダウントレンド」ではありませんので、注意してください。アップトレンドが崩壊したら「トレンド無し」になります。

図B

また、ダウントレンド中に戻り高値を上回った時は、「ダウントレンド崩壊」と判断します。そしてこの時戻り高値を超えた起点を「押し安値」と言います。(図C)

図C

では、実際のチャート画面ではどのように見たらいいのかを解説します。(図D)

図D

ここでも重要なポイントは、高値安値の更新はローソク足の終値で判断するという事です。①から④までそれぞれ高値を更新してきて、押し安値が移動していきます。そして黄色マル5のローソク足の終値で、青マル4の最後の押し安値を下回りました。この黄色マル5のローソク足の終値確定をもってアップトレンドが崩壊したと考えます。さらにこの時の、起点の高値が赤マル5の戻り高値となります。

4-6-2.トレンド発生

ダウントレンド中なら戻り高値を超えてダウントレンドが崩壊した後、押し安値を切らずにさらに高値を更新したらアップトレンド発生となります。その逆のアップトレンド中なら押し安値を切った後、戻り高値を超えずにさらに安値を更新したらダウントレンド発生となります。(図E)

図E

ポイントは今現在の押し安値・戻り高値がどこにあるかという事です。そのため押し安値、戻り高値を確認できる所まで過去にさかのぼってチャートを見る必要があります。

ただ、実際のチャートだと過去データがなかったり、左にスクロールして確認できない時もあり、トレンドがあるのかないのかも分かりません。その場合は、見える範囲でトレンドを判断していきます。したがって、一番左側の高値安値を更新した起点を戻り高値、押し安値と仮定します。

迷ったら、「戻り高値を超えた後、押し安値を切らずに続けて高値更新したらアップトレンド発生」、「押し安値を切った後、戻り高値を超えずに続けて安値更新したらダウントレンド発生」と覚えておくと良いです。

4-6-3.実際のチャートでの判断

前項までの判断基準を踏まえた上で、実際のチャートで解説していきます。(図F)

図F

図Fのような波形を描いた時、青マルが戻り高値になり、1から順番に移動していきます。そして赤マルが押し安値になり、同じように1から順番に移動していきます。

上部にある矢印はトレンドの移り変わりを表しています。ここでの波形はあくまで参考ですので、多少違っていても自分なりの波形が描ければ問題ありません。大事なのは、今トレンドが出ているかどうか、押し安値と戻り高値の位置がどこにあるか、をしっかり把握することです。

一度に理解しようとせずに、慣れるまではゆっくり自分のペースでおこなう事をおすすめします。

動画でさらに詳しく解説していますので、ご覧ください。

相場は常にトレンドの発生・崩壊を繰り返しています。

そして、その時々のトレンド方向に合わせてエントリーを検討することが、目線を固定することになります。このようにダウ理論の理解を深める事で、相場の流れをより的確に把握できるようになります。

5.チャートパターン

5-1.チャートパターンとは?

チャートで描いた波形を、図形のように認識したものです。いくつかの種類があります。

5-2.なぜチャートパターンが必要なのか

後述するライン付近でチャートパターンを形成した時、相場が一定の方向へ向かう確率が高くなるからです。その為、チャートからパターンを見つけ出す事が重要になってきます。ただ、ダウ理論での波形の描き方と同じで、パターンの認識の仕方にも正解はありません。従ってこれから紹介するパターンをチャート上で認識できるようになるためには、ある程度の慣れが必要となります。自分だけのパターン認識ができることが非常に重要だからです。

チャートパターンは大きく分けて7つあります。

参考:streetdirectory.com

5-3.ダブルトップ、ダブルボトム

これは二つの山(または谷)を形成した後、下降(または上昇)して行く反転系のパターンになります。一度価格が下げ止まった(または上げ止まった)部分をネックラインと言い、このラインを超えたらパターン完成という考え方をします。

実際のチャートだとこのような認識になりますが、あくまで参考例ですので人によって違っても問題ありません。

ポイントは、二つの山(または谷)とネックラインが自分の中で認識できることです。ただ、ネックラインを超えるまではパターン完成ではないので注意してください。「ネックラインを超える」とは、ネックラインをローソク足の終値で超えるという事です。

5-4.ヘッドアンドショルダー、逆ヘッドアンドショルダー

文字通り、人の頭と肩からイメージした形でこちらも反転系のパターンになります。3つの山(または谷)のうち、真ん中が少し大きいのが特徴です。肩と頭の境目の、価格が折り返した部分がネックラインになり、このラインを超えたらパターン完成です。ネックラインは候補が2つありますが、より深い位置で折り返している方を選びます。

実際のチャートだとこのような認識になります。ポイントは、漢字の「山」のような形とネックラインが認識できることです。ここでも自分だけの判断ができれば問題ありません。

5-5 ボックス圏、ペナント

方向感がなく相場がもみ合っている時に形成するパターンになります。ボックス圏は横ばいでもみ合っているのに対し、ペナントは高値と安値の距離が段々と縮まって来ているのが特徴です。どちらも枠を超えた時、価格が一気に動き出す傾向があります。これらはネックラインがないので、パターン完成の決まりもありません。

実際のチャートだとこのような認識になります。ポイントは、外側の高値安値をおおまかに線で結ぶことです。もし他のパターンに見えるなら、そちらで認識しても問題ありません。

5―6.N字

波形がアルファベットの「N」の字に見える事からN字と呼びます。そもそも波形自体がN字の連続で構成されていますが、ここでのN字は後述するライン付近でのN字に絞って考えていきます。

実際のチャートだとこのような認識になります。ここではチャートパターンの1つにN字があるという理解があれば十分です。

ここまでに紹介したパターンには、大きさや形に細かい決まりはないので、ある意味自由に認識する事ができます。従ってそれぞれのパターンの特徴が最も出ていると思うものを選択することをおすすめします。

このようにチャートパターンは相場がこれから大きく動こうとする時のシグナル(合図)として形成する事が多いので、パターン認識が慣れてくると、近い将来の値動きが自然とイメージできるようになります。

6.ライン

6―1.ラインとは?

チャートに引く水平線の事を言います。ラインには、レジスタンスライン(上値抵抗線)とサポートライン(下値支持線)があります。ナナメに引くラインなどもありますが、ここでは使いません。

レジスタンスラインを超えるとそのラインはサポートラインになります。逆にサポートラインを超えるとそのラインはレジスタンスラインになります。この事を「サポレジ転換」と言います。

6-2.なぜラインを使うのか

ダウ理論やチャートパターンは主観で判断する(=人によって違う)のが基本なのに対して、ラインは市場価格なので客観的な事実になるからです。従ってラインは環境認識において最も重要なパーツとなります。

6-3.ラインはどこに引くのか

「市場価格が折り返した場所」と「節目になった場所」に引きます。

具体的には、

①チャートで目立つ高値安値
②ローソク足の四本値(始値・終値・高値・安値)
③チャートパターンのネックライン
④押し安値、戻り高値などの高値安値を更新した起点

大きく分けるとこの4つに分類されます。これらは、「なぜそこにラインを引いたか」と言うラインを引く時の根拠(理由)になります。もちろん、全てに引いてしまうとチャートがラインだらけになってしまうので、重要度の高いラインに絞っていきます。重要度の高いラインとは、①~④の根拠がより多く重なるラインになります。

これは①の目立った高値安値に引いた状態です。この引き方が特にシンプルですが、これだけですと根拠が少ないため、他にもラインがある時は重要度が低くなりやすいです。ただ、過去最高値や過去最安値などの場合は、それ自体が強い根拠になるため重要度は高くなります。

これは②のローソク足の4本値に引いた状態です。このラインは月足・週足・日足に引く事をおすすめします。なぜなら世界中のトレーダーがよく見るラインでもあり、意識されやすいからです。従って、より効果的なラインの引き方と言えます。

これは③のチャートパターンのネックラインに引いた状態です。ネックライン以外にもボックス圏の上限や下限にもラインは引けます。

これは④の押し安値、戻り高値などの高値安値を更新した起点に引いた状態です。単純に高値安値を更新しただけの起点でも引けます。ただ、押し安値、戻り高値の方が根拠としては強いです。

その他に、パターン完成のネックラインを超えたら、その起点となった高値安値にも引けます。

これは根拠が多く重なるラインの例です。ローソク足の安値であり、ヘッド&ショルダーのネックラインであり、押し安値でもあります。このようなラインは、より重要度の高いラインであり、優先的に引くラインと言えます。

ここで紹介したラインを引く場所というのは、相場において売り買いの攻防の決着がついた場所でもあり、今後トレーダーに意識されやすい場所になります。意識されやすいという事は、トレンドの発生・崩壊やチャートパターンが形成されやすいという事です。そしてこのトレンドの発生・崩壊やチャートパターンの事を「プライスアクション」と呼びます。

6-4.ラインとプライスアクション

ラインが意識されているかどうかは、プライスアクションの有無で判断します。そしてラインに対してのプライスアクション形成には3つのタイミングがあります。

ラインで反発する「反転」、ラインを抜ける「ブレイク」、サポートラインとレジスタンスラインの機能が入れ替わる「レジサポ転換」の3つのタイミングです。これは下落時の図ですが、上昇時も呼び方は同じになります。

こちらは上昇時の図です。プライスアクションを認識した時、これらの3つのタイミングのどれに当てはまるかが分かっていると、スムーズに環境認識が進みます。

6-5.ラインの削除

ラインが意識されているかどうかは、プライスアクションの有無で判断しますが、無い時は引いたラインを削除します。

ラインに対して「行って来い」の状態になったら、意識されていないと判断します。一回目のブレイクでは削除しません。戻って来た二回目も素通りしたら削除になるので気をつけてください。ここでもラインを超えたかどうかはローソク足の終値で判断します。具体的には環境認識の章で解説していますので、そちらも参考にしてください。

初めは時間がかかると思いますが、引けるラインはまず全て引く事をおすすめします。いろいろなチャートを見てラインを引いていく内に、より重要度の高いラインだけを引けるようになって行くからです。このようにラインを引く事によって、チャートのどこに注目したら良いのかが分かるようになります。

7.マルチタイムフレーム

7-1.マルチタイムフレームとは

複数(マルチ)の時間軸(タイムフレーム)を使って相場分析することを言います。通常、チャートは月足から1分足までのタイムフレームを選択できるようになっています。さらに複数枚のチャートを同一画面に同時表示させることができます。ここでは月足・週足・日足・4時間足を同時表示させて環境認識を行なっていきます。

7-2.なぜマルチタイムフレームを使うのか

単一のタイムフレームのみだと、環境認識が限定的になってしまうからです。複数のタイムフレームで環境認識をして初めて、奥行きのある、精度の高い相場分析が可能になります。

7-3.マルチタイムフレームの仕組み

マルチタイムフレームの考え方で環境認識を行なうには、その仕組みを理解する必要があります。

これは週足のローソク足のチャートに月足のローソク足を重ねて表示させたものです。パステルカラーのローソク足が月足になります。ひと月(1日~月末)の初めと終わりが、一週間(月~金)の初めと終わりに一致しないため、ローソク足の始値・終値及びローソク足の本数もバラつきがあります。

少し分かりにくいと感じたら、1本の大きなローソク足の中に、小さなローソク足が何本か入っているという認識でも十分です。

これは日足のローソク足チャートに週足のローソク足チャートを重ねて表示させたものです。パステルカラーのローソク足が週足になります。一週間の初めと終わりは、一日の初めと終わりに一致するので、ローソク足の始値・終値及びローソク足の本数(週足1本の中に日足5本)も揃っています。

これは日足のローソク足チャートに、月足と週足のローソク足を重ねて表示させたものです。

この中で最も大きなタイムフレームは月足になります。その月足のローソク足1本の中に週足のローソク足が4~5本入っています。さらに週足のローソク足1本の中に5本の日足のローソク足が入っています。このようにマルチタイムフレームは、複数の時間足は全て同じ通貨でリンクしており、規模を変えて表示しているだけという事になります。各時間足を別々で表示させると始めは違うモノに感じる事があるかも知れませんが、この図が頭の中で理解ができていると、スムーズにつながっていきます。

このマルチタイムフレームの考え方を使って相場の全体像から局所的な部分までを分析していきます。ただ、環境認識を繰り返し行なっていく中で培われる部分でもあるので、初めは概要の理解が出来ていれば問題ありません。

8.環境認識の進め方

8-1.なぜ環境認識をするのか

そもそも環境認識とは、相場の流れを把握し、今の相場がトレードに適しているかどうかの判断をする事です。すなわち難しい相場を避け、分かりやすい相場を見つけてトレードできるようになり、安定した結果を出す事につながります。反対に、環境認識が無いというのは、裸で戦場に赴くようなものです。トレードにおいては、武器であり防具でもあるからです。従って環境認識のないトレードは絶対にしてはいけません。トレードをする前には必ず行なうという習慣が重要になります。

8-2.タイムフレームは月足・週足・日足・4時間足の4つを使用

では実際に環境認識の進め方を紹介します。ここでは環境認識は月足・週足・日足・4時間足の4つのタイムフレームを使って行ないます。なぜこの4つかと言うと、短期足(1分・15分・1時間・4時間)はトレーダーによって見る・見ないがあります。

それに対して長期足(日足・週足・月足)はほぼ全てのトレーダーが見ているからです。市場参加者が多いという事は、それだけテクニカル通りの動きをしやすいという事になります。

ここではタイムフレームはこのように配置します。

8-3.月足から順番に環境認識をする

具体的には月足・週足で相場全体の流れから直近の傾向までを把握し、日足・4時間足でさらに直近の傾向を細かく分解して分析するという流れになります。今回は例題として、2017年11月25日のドル円チャートを使います。

初めに最上位足の月足から分析していきます。分析は以下の7つの手順で進めていきます。

①波形を描く
②トレンドがあるかないかを判断する
③押し安値・戻り高値にラインを引く
④直近で目立った高値安値にラインを引く
⑤先月(または先週・前日)4本値にラインを引く
⑥引いたラインに対してチャートパターンが出ていないか探す
⑦パターンを見つけたらネックラインなどのラインを引く

月足はこのように波形を描きました。②のトレンドはアップトレンド中です。

③の押し安値・戻り高値、④の直近で目立った高値安値、⑤の先月4本値にラインを引きました。そしてこの月足では、ラインに対してのチャートパターンは認識できないため、ネックラインはありません。これで月足の分析は終了です。

以上の分析で分かった事は、「アップトレンド継続中で押し安値で反発した後に上昇、直近ではもみ合いが続いているが、先月安値を切っており現在は売りが優勢」という事です。このように分析を行った結果、今の相場環境がどういう状態なのかを自分なりの見解を持つという事が大変重要になります。ただ、あくまで「自分なり」で問題ありません。自分の中で相場環境が理解できている事が重要だからです。

ここまでの分析結果と自分なりの見解がセットで月足の環境認識が終了です。そして週足以下のどのタイムフレームでも同じ手順で環境認識を行なっていきます。

次に週足の環境認識を行ないます。ここでも①から⑦までの手順に沿って分析をおこないます。

週足はこのように波形を描きました。

②のトレンドはない状態です。

紫のラインは月足から引いて来たものです。

③の押し安値・戻り高値、④の先週4本値にラインを引きました。週足は黄色のラインになります。

続いて⑥のチャートパターンで、ダブルボトムとボックス圏を認識しました。ダブルボトムは月足の紫ラインに対しての反転系のプライスアクションとして認識しています。さらに⑥のダブルボトムのネックラインに対してもみ合いのボックス圏を認識しました。そのBOX圏の上限にもラインを引きました。チャートパターンが入ってくると少し複雑に見えますが、環境認識を繰り返す内に目が慣れてくるので心配はいりません。

最後に戻り高値のラインが引いてありますが、右側のBOX圏辺りで何度も往復しています。このような場合は、意識されていないと判断し、ラインは削除します。ここで重要なポイントは、引いたラインはあくまで「市場価格が到達した時にプライスアクションが起きるかも知れない価格帯の候補」という事です。

以上で週足の分析は終了です。分析結果の見解としては、「月足ラインでダブルボトムを形成後、戻り高値を超えてダウントレンド崩壊。ダブルボトムネックラインでレジサポ転換するが、ボックス圏を形成中。現在ボックス圏上限から下降中」としました。

これで週足の環境認識は終了です。次に日足に行きます。

日足の波形です。押し安値を切り、トレンドは無しです。

戻り高値、押し安値、週足の黄色ラインと月足の紫ラインに対して形成したダブルトップのネックライン、前日4本値にラインを引きました(日足は赤色です)。日足の分析はこれで終了です。

分析結果の見解としては、「月足ラインと週足ラインの重なるラインでダブルトップ形成後下降。押し安値を切りアップトレンド崩壊したので現在は売りが優勢」としました。

最後に4時間足を環境認識します。

このように波形を描きました。トレンドはダウントレンド継続中です。

押し安値・戻り高値にそれぞれラインを引きました。ラインが増えすぎると分析が複雑になってしまうため、4時間足では4本値は引きません。チャートパターンも特に認識できなければ無しでも大丈夫です。4時間足の分析はこれで終了です。

4時間足の見解は、「ダウントレンド継続中で、先月安値をブレイク。現在は売りが優勢」としました。

以上で月足から4時間足までの環境認識が終了しました。

8-4.各時間足の見解を一つにまとめて総合判断

ここまでの各時間足の見解をおさらいします。

《月足》
アップトレンド継続中で押し安値で反発した後に上昇、直近ではもみ合いが続いているが、先月安値を切っており現在は売りが優勢

《週足》
月足ラインでダブルボトムを形成後、戻り高値を超えてダウントレンド崩壊。ダブルボトムネックラインでレジサポ転換するが、ボックス圏を形成中。現在ボックス圏上限から下降中

《日足》
月足ラインと週足ラインの重なるラインでダブルトップ形成後下降。押し安値を切りアップトレンド崩壊したので現在は売りが優勢

《4時間足》
ダウントレンド継続中で、先月安値をブレイク。現在は売りが優勢

まとめますと、大局は上昇中だが、もみ合ってきており直近は下降中なので、トレードを検討するなら、もみ合いの上限をブレイクするまでは売りが妥当と判断できます。このように環境認識はトレードの方向性と、タイミングを把握する事につながります。

反対に、環境認識がないとトレードをして勝っても負けても理由が分かりません。理由が分からないという事は、安定的に継続して勝てないという事です。まさにギャンブルと同じになってしまいます。安定的に継続して勝ちたい方(ほとんどの方がそうだと思いますが)には環境認識は必須のスキルになります。

初めは色々と戸惑うかと思いますが、とにかくゆっくり丁寧に時間をかけて進めてください。回数を重ねて慣れてくれば、短時間でより精度の高い分析ができるようになるのではないでしょうか。

是非、環境認識力を自分のものにして質の高いトレードで安定した収入を手に入れてください。